ないで/なくて

http://www.nihongo-books.com/items/naide-nakute/

ない形と言われる「たべない(たべ+ない)」というカタチは動詞(たべ)と形容詞(ない)がくっついたカタチである。【「たべない」+て】には「たべないで」と「たべなくて」というふたつのカタチがあり、「たべないで」は動詞的要素(たべ)から、「たべなくて」は形容詞的要素(ない)から、それぞれ成り立っている。

たべないで 【動詞系】…動詞の活用形「たべて」の反対 「食べて⇔食べないで」というペア
たべなくて 【形容詞系】…「たべない」を形容詞のように活用したカタチ。日本語の「ない」は形容詞のような性質を持つ。その 「-ない」 が動詞にくっついてできたのが、”ない形”で、その”ない形”の活用は形容詞とだいたい同じ。形容詞の「おいしい」が「おいしく・おいしくて」と活用するのと同じように「食べない」が「食べなく・食べなくて」と活用する。



1.-ないで

写真を とらないで ください。
朝ごはんを たべないで 来ました。
母には 言わないでおこう。
2.-なくて

写真を とれなくて 残念だった。
息子がなにも 食べなくて 心配だ。
母には 言わなくてもいいだろう。
「-ないで」の例文では行為の実行ついて(その行為をしないと)述べられており、動詞感にあふれている。これは行為をしないという、ひとつの行為です。
「-なくて」の例文では、行為がおこなわれなかったというコト(状況)によって引き起こされる、感情や判断などさまざまな結果について述べられている。

だから(「たべない」じゃなくて、)ただの「ない」では、動詞系の「ないで」というカタチは成立しない。もちろん形容詞系の「なくて」は成立する。

お金が ないで 買えない ×
お金が なくて 買えない
「-ないで」が「ない」の前の部分の動詞によって存在することがよくわかる